10-04:患者はいかにして通い続けるのか(個人情報の扱い)

初回の施術で患者の信頼を獲得し、二回目以降の施術につなげることができれば、患者は身体のことだけではなく色々な話をしてくれるようになります。
そして回数を重ねるごとに、施術者は患者の身体的、社会的、経済的情報などあらゆる個人情報を知ることになるでしょう。
今回は、*守秘義務・個人情報の取扱い*と*通院*について考えていきたいと思います。

*個人情報とは*

個人情報とは、患者の氏名、生年月日、居住地、家族構成などの基本的情報、健康状態、病歴、症状の経過、などすべてが含まれます。治療に関係ないものでも、患者の個人を特定するあらゆる情報のことです。

*法律上では*

医療従事者には、患者の個人情報を守る守秘義務が法的に存在しています。
また、法的な資格制度のある、”あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師”の4種 にも「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第7条の2」「柔道整復師法第17条の2」に守秘義務についてそれぞれ明記されています。ではそれ以外の整体やカイロプラクティックについてはどうかといいますと、これらの職業には、規制や罰則は存在していません。
ただもちろん法律こそありませんが、上記法律を準用して考え、業務上知りえた患者のプライバシーはしっかりと守られるべきでしょう。

*個人情報の取扱いの注意点*

患者の個人情報はいつ、どこから漏れるのでしょうか?
一番多い流出経路は、目の前の患者との会話で、うっかり他の患者の話をしてしまうことです。個人が特定できない「症例」や「効果」に限った内容なら問題ありませんが「さっきの患者さんは…」など個人を特定するような言葉は避けなければなりません。聞いてしまった患者も「自分のこともこうやって他の人に話しているんじゃないか…」と不安を抱くはずです。
軽々に患者の話を漏らさぬよう、個人情報について慎重な取扱いを図る必要があります。
他にも、SNSやブログに患者の同意なく情報を掲載することは不適切ですし、机の上に患者の書類やデータを放置したまま次の患者に対応することもよくないでしょう。

*守秘義務の厳守”は、通い続けていただくための最低限の条件*

患者は、そもそも信頼関係がなければ情報を安易に開示してくれません。「この人なら私の個人情報を他言、流用しないだろう」という安心感、信頼感から話をしてくれるのです。万が一、施術で知りえた情報を患者の同意なく他に漏らしてしまった場合、患者の信頼は完全に失われ、その心は固く閉ざされてしまうでしょう。もちろんそれ以後の通院は見込めなくなります。また、自分の情報が漏れた時だけではなく、施術者が他の患者の話をうかつに自分に話してきた時にも、違和感を感じ、この治療家は軽々しく他人の噂話をし、秘密をもらすのだと察してしまうでしょう。
信頼の持てない施術者のもとに患者が通うことはありません。
”守秘義務を厳守すること”は、通い続けていただくための最低限の条件です。
せっかく効果を出して築き上げた信頼です。たった一度の軽はずみな行動で失わないよう十分留意したいものです。

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