整体院をテナント開業する場合の資金は、50~200万円程度だという話を、「独立の基礎知識(開業資金)」でさせていただきました。
自己資金だけで開業したいというのが、多くの開業予定者の本音だと思います。
「開業資金が貯まった!さあ開業!」といきたいところですが、手持ちの資金がギリギリで、開業後の運転資金に四苦八苦しなければならないとしたら問題です。そこで、自己資金に余裕がない場合には、融資を受けることも考えてみるとよいでしょう。
開業時の資金調達の種類
資金調達には、家族・友人知人・民間融資(銀行など)・公的融資などがありますが、公的融資を第一に考えることをおすすめします。
公的融資には
・日本政策金融公庫
・地方自治体の制度融資
・中小企業金融公庫
などがあります。日本政策金融公庫を利用するのが一般的です。
日本政策金融公庫は次のような融資となっています。
「日本政策金融公庫・国民生活事業の新規事業ローン」の特徴
特徴①契約時の金利が最後まで適用される固定金利である
特徴②事業資金としては長期の返済が組める(運転資金7年以内、設備資金20年以内)
特徴③元金据え置き期間を設定できる(2年以内)
特徴④事業開始後7年までの方が利用できる
特徴⑤民間金融機関より融資実行までの期間がスピーディー(約3週間)
特徴⑥一定要件で、無担保・無保障の融資を受けられる
特徴⑦民間金融機関に比べて審査のハードルが比較的低い
特徴⑧この先、民間金融機関から融資を受ける場合に前向きに考えてもらえやすい
などが挙げられます。民間金融機関に比べるとハードルが低く、融資実行までの期間が比較的短いようですね。
では、よりスムーズに融資を受けられるポイントをご紹介します。
日本政策金融公庫で、スムーズに融資を受けるためのポイント
①自己資金が開業資金の2分の1以上あること。
②信用度の高い保証人を立てられること。
③事業計画をきちんとした数字で明示できること。
申し込み後、面談があり、提出書類に記載した売上予測の数字をもとに融資が必要な理由を説明することになります。提出書類の売上予測が平均値から極端に離れている場合は質問されますので、業種・業態・立地条件が似ている同業者をリサーチしておいて根拠を示すことができるようにしておきましょう。
なお、保証人の代わりに債務を保証してくれる「信用保証協会」もあります。
会社組織にする場合
整体院は、一人あるいは数人で、個人事業としての開業が主流かと思いますが、事業が成功して人を増やすときなどには、税金面で有利な会社組織への変更も必要かもしれません。
会社法が改正され、最低資本金も撤廃されたので、株式会社を設立することも簡単になりました。
より簡単な「LLP 有限責任事業組合」は、出資額以上の責任を負わされず、取締役や監査役も置く必要がない、便利な形態です。それぞれに特徴を持った整骨院オーナーが緩やかに連携して連合体をつくる場合には有効なシステムになるかもしれません。
また、株式会社より小規模な会社に適する組織形態である「LLC 合同会社」もかつての有限会社に似た位置づけとして近年のトレンドとなっています。社長個人の信用を重視するビジネスに適しています。こちらも取締役会などは必要なく、時代に合った形態といえます。設立費用についても株式会社が20~30万円のところ、合同会社なら6~15万円ほどと手軽です。
皆さんの目指す方向で個人事業・株式会社・LLP・LLCなどを選んでください。