10-01:患者はいかにして通い続けるのか(初回)

患者はなにかしら体調の悪い部分をもって来院されます。大多数の場合は、ある程度通院していただかなくてはならないと思います。
しかし、実際はこの「通院していただく」という部分でつまづく人が多いように思います。継続して通院してもらえないようだと、新規の患者を集め続けてもなかなか増えていかないでしょう。
こういう事態を招かないためにも患者に「通院したい!」と思ってもらえる整体院をつくりあげていかなければなりません。
こちらでは、新規の患者をいかにしてリピーターにするかという点について説明させていただきます。

通院してもらえるかどうかは、初回がカギ!
新規の患者に通院してもらうために、まず大切になるのは初回です。
はじめて来院された患者は大きな不安を持っているものです。「体は楽になりたい、だけどここは信頼できるのかな?」「ダメそうだったら別のところに行こう」といろいろな思いが渦巻き疑心暗鬼になっています。とにかく不安と疑いの気持ちでいっぱいなのです。
初回の治療で患者の信頼感を得ることができなければ、2回め以降の治療にはほとんどつながっていかない。逆に信頼感を獲得できれば多くの患者が続けて通院してくれることになると思います。
では、どうすれば、初回で患者の不安・疑いを払しょくし、信頼感を獲得することができるのでしょうか。
これには、
①初回の問診をしっかり行うこと
②初回で効果を実感してもらうこと
この2点がポイントになります。

①初回の問診をしっかり行う

初回の問診は、患者にこれから続けて通院していただくためにもっとも重要です。信頼感を得られるかが命運を分けます。
では、具体的に何を尋ね、何をどう話せばよいのか。例を交えてご説明させていただきます。

・症状をできるだけくわしく聞く
信頼感を獲得するためには、まず患者の症状をくわしく聞くという作業が必要になります。こちらからいろいろと質問を投げかけ、1つでも多く、患者の情報を引き出すことを心がけてください。患者の症状をくわしく聞くという作業は、患者の信頼感を獲得するのに大きく役立ちます。また、いろいろと聞いているうちに徐々に症状の原因が見えてくるものです。
話をあまりくわしく聞こうとしない病院などが多いなか、患者はじっくりと話を聞いてくれる人を信頼します。
聞き取った話は、できるだけ問診表に書き込んでください。問診表に書き込んでおけば、2回目以降の問診でも使えますし、なにより患者側も真剣に聞いてくれているという印象を持ってくれます。
質問例:
「主訴は何なのか」
「左右どちらに痛みがあるのか」
「どういうときに症状がでるのか」
「いつから症状がでているのか」
「他にはどんな不調があるのか」
「これまでどんな治療・施術を受けてきたのか」
など。
なかでも有効な質問がこちらです。
「治らないと思っているほかの症状はありませんか?」
私は、初回の問診時にこういう質問をすることがあります。
たとえば肩の痛みで来院された人がいたとします。問診すると
「肩の痛み治してほしい。他に悪いところはない」
こんな答えが返ってきます。
しかし動きがぎこちなく他にも悪いところがありそうに感じるときには、こう質問してみるのです。
「治らないと思っているほかの症状はありませんか?」
すると、実は他にも痛めている箇所があったりします。たとえば、ひざの骨が変形して歩くのがしんどくなっている場合などです。
ただ、ひざに関しては病院でレントゲンを撮り、骨が変形しているので治ることはありませんといわれている場合が多いのです。病院で断言されているので、「膝はもう治らない。整体にいってもムダだから肩だけ治してもらおう」と黙っている場合があるのです。しかし、整体院でおこなう施術は、ときに病院で治らない症状に効果を発揮することがあります。ひざが変形していても施術によって歩きやすくなることがあるのです。
ですから問診時に他にも症状がありそうだと疑わしい場合に
「治らないと思っているほかの症状はありませんか?」
この質問をすると、「実は…」と話し始めるケースが往々にしてあり、「気づいてくれた」「聞いてくれた」という信頼が生まれ、「肩だけでなくひざもお願いしよう」と通院へとつながっていきます。

・見解をわかりやすく伝える
患者の話を聞いた後は、自分の見解を説明することになります。
ここでの注意点は、とにかく「わかりやすく」ということです。
「今までの経験上、あなたの症状は、こういう状態だと思います」
「この症状であれば、こういうことが原因かもしれないですね」など。
経験と知識から、患者の症状をわかりやすく説明してあげてください。
患者は自分の体がどうなっているのかを知りたいと思っています。そして、施術家に自分の症状と原因を正確に理解してもらいたいのです。身体の専門家に自分の症状をくわしく説明してもらえると、それだけで「この人は前にも同じ症状を扱った経験があるんだ」と信頼感が深まります。


・施術方法・方針を明確に伝える
見解を述べたあとは、施術方法の説明をおこないます。
「あなたの体は現在このような状態ですので、この施術が効果的でしょう」
「同じような症状の方にこういう施術をして、このように作用しました」などです。
・どんな理論を持った施術なのか。
・施術によって体がどう変わるのか。
・どれくらいの期間で効果がでるのか。
・危険な施術ではないのか。
これらを明確に説明することができれば、患者はさらに安心して施術を受けることができるでしょう。


・施術家が主導権を握る
患者は主導権を施術家に安心してゆだねられると、大きな安心感を得られます。とくに施術のペースについては主導権をもってコントロールしましょう。
「あなたの症状だと今週は毎日来てください」
「この症状なら一週間後にくるといいでしょう」
など率先して来院日を指定してよくなるまで通院してもらいましょう。
予約制ではない場合にも「必ず来週来てください」というふうに、患者の来院をできるかぎりコントロールすることをこころがけてください。
悪い例として
×「次はいつ来られますか?」
×「都合のいい時に電話をくださいね」
といってしまう人がいます。これでは完全に患者に主導権を渡してしまっています。患者は不安になりますし、適切なインターバルで来院が得られないので効果が半減することも考えられます。


・言葉づかいに気をつける
施術の流れは、簡単な挨拶から始まって、問診⇒施術⇒説明と進んでいきます。その全般を通して、言葉遣いには気をつけなければなりません。言葉遣いが丁寧であれば、それだけこちらの話す内容に熱心に耳を傾けてくれますし、信頼してもらいやすいと思います。
逆に言葉遣いが悪いと、たとえよい施術内容でも粗雑な印象を与えてしまうのです。
接客業に慣れていない人は、どうしても粗いしゃべり方になってしまうことがあります。多少間違えてもよいですから、敬語を使い患者のことを大切に扱っているという思いを伝えるように接してください。


②初回で施術効果を実感してもらう

初回は、どんな小さな変化でもよいので、かならずなんらかの効果を感じさせてください。
整体院を流行らせるためには、初回で効果を感じさせる施術が絶対に必要です。
とくに広告を見て来院した患者は、大きな期待と強い疑いの両方が入りまじり、ややこしい心理状態になっています。疑いが深いと、効果を実感していただかなければ納得してもらえません。
「施術によって肩が動かしやすくなった」
「テーピングをしてもたったら関節の痛みが半減した」
「体のゆがみを整えてもらったら体が軽くなった」
など、施術後になんらかの変化を感じてもらえれば、不安は薄らぎ、施術の意図や方針を信じてもらえ、次回の来院につながります。

きっちりした問診をおこない、施術効果を体感してもらう。
この当たり前のことをしっかりとマスターして実践してください。


まとめ
患者をいかにしてリピーターにするかは初回がカギ
①初回の問診をしっかりおこなう 
・症状をできるだけくわしく聞く 
・見解をわかりやすく伝える
・方針を明確に伝える
・主導権を握る
・言葉づかいに気をつける

②初回の施術でかならず効果を体感してもらう

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