05-04:現場で使える5つのスキル(医学知識)

「医学知識を学ぶ」というと、すこし難しく感じてしまうかもしれませんね。
国家資格、民間資格を問わず、基本的にスクールでは医学知識を学ぶ授業があります。授業内容をしっかり勉強することは大切なことですが、実際の現場では教科書の知識を丸暗記する必要はありません。逆に現場では、丸暗記した知識はほとんど役に立たないでしょう。


現場で使える医学知識とは

・患者の症状を現場レベルで理解するための実践的知識
・患者の症状に施術がどう効き回復していくかという知識
・治療すべきでない患者の症状を見極める知識

といったものです。
整体院は病院ではありませんが、体調を崩した患者が来院してきます。その患者たちにしっかり対応するため、現場で役に立つ医学知識は、施術技術と同じように大切なものです。
では、これらの知識を効率的に身につけるための手順をお伝えします。


現場で使える医学知識を効率的に身につける方法

①体の仕組みについて大まかに理解しよう

人の体は、
・血液を体全体に送り届ける循環器や酸素の取入れをおこなう「呼吸器」
・食べた物を消化する「消化器」
・血液をろ過して尿をつくる「泌尿器」
・体の働き全般を統括する脳を中心とした「神経系」
・運動に関与する「筋肉や骨」
ほかにも免疫にかかわるものや血液に乗って体にいろいろな変化をもたらすホルモンなど、さまざまな器官と物質が互いに影響しあって維持されています。
最初に学ぶべきは、一つ一つの詳細を丸暗記することではなく、それぞれの働きとたがいにどういう関わり合いを持っているのか理解することです。
全体の理解ができると、難しい単語が頭に浮かばなくても、体の仕組みが頭に描けるようになってきます。まずは、こういう状態を目指します。
そのためには、医学の専門書よりも一般向けのわかりやすい本がおすすめです。こちらのサイトでもご説明します。細かい名称や構造に惑わされることなく、まずは人の体を大きな流れのなかで理解することが、効率的な理解の第一歩でしょう。

②患者の症状と体の仕組みを関連づけよう

体の仕組みの全体像が頭で描けるようになれば、次は、自分が対応する可能性のある症状と医学知識を関連させていきましょう。
体の仕組みが理解できると、患者が訴える症状がどういう順序で起こっているのかがなんとなくわかってきます。
たとえば「肩こり」でも単純に「筋肉が疲れているのが肩こりだ」ではなく、筋肉をつかさどっている運動神経や血流をコントロールする自律神経などに問題があるのではないか、骨格のゆがみによって負担がきているのかもしれないなど、いろんな角度から症状を理解できるようになるのです。
患者と体の仕組みの関連付けができると、どんな患者が来てもある程度の予測・理解ができます。こうなってくると、どんな患者が来ても堂々と対応でき、自信をもって整体院を運営できます。

③整体の専門知識を身につけよう

整体の場合は、筋肉の形状や関節の構造を覚えなければなりません。施術によってどのような反応が起こるかも頭に入れておかなくてはなりません。

④患者と対等に話すための知識を身につけよう

患者との問診で、尋ねられる可能性がある知識を頭に入れておかなくてはなりません。
たとえば、病院でおこなわれるレントゲンやMRIなどの検査であったり、血圧やコレステロール値、骨密度などの正常値であったり。問診中に患者から検査などの話を聞くことがあります。患者と対等に話をするためにも、一般的な検査項目や数値などを私たちもかならず頭に入れておかなくてはならないのです。

⑤患者が理解できるような知識につくりあげよう

やたらと難しい話を延々と患者に話し続けられる人がおられます。自分自身の知識を披露することで「自分をすごく見せる」という作用はあるかもしれませんが、これは誰にとっても幸せなことではありません。
専門用語をたっぷり含んだ難しい話というのは、聞いていて非常にストレスになりますし、患者に理解させるという意味でも絶対にプラスにはなりません。また、あまり難解な話をしすぎると、そのことが原因で患者が来院を拒絶することも起こりかねません。
ですから、医学知識は、患者が容易に理解できる程度まで内容をかみ砕いていかなくてはなりません。一般の人が聞いたことのないような筋肉や神経の名前を使ってみたり、仰々しい病名などを話の中に盛り込まず、あまり考えなくてもすらりと理解できるわかりやすい言葉で知識をつくりあげてください。
真の優秀な人は、小学生や中学生でも理解できるようなわかりやすく話します。難しいことをいかにわかりやすく伝えることができるかが、その人の力量を表します。ですから、できるかぎり患者が容易に理解できるくらいにまで、かみ砕いていただければと思います。

⑥余裕がでてくれば、知識を掘り下げよう。

前述までの知識が身についたころには、仕事上は困らない状態になっているはずです。しかし、そのあとも少しずつ知識を掘り下げて学んでいきましょう。
医師ではないので治療を提供する際に、体の複雑な名称、構造に関してそれほど多くを必要とはしません。ですが、知識を蓄えていけば深みがでてきますし、ふいに患者から難しい病名などについて聞かれた際に即答できれば、患者との信頼感を深めることにもつながります。
また、治療においても知識が深まれば、その分患者の症状に対する理解も深まります。
最初はおおまかに学び、余裕が出てきたら立ち止まらずに知識の詳細に進んでいくというような学び方をしていただければと思います。

 

技術があれば知識は要らないという方も時々おられますが、患者と話をする際、および自分自身が症状を理解するためにも医学知識は必要です。
教科書を丸暗記するのではなく、一歩踏み込んだ現場で使える知識を身につけていただければと思います。