03-02:医業類似行為(民間療法)の種類と特徴

  整骨院 鍼灸院 あん摩マッサージ指圧院 整体院、気功院
カイロプラクティック院など
国家資格 不要
資格名 柔道整復師 はり師、きゆう師 あん摩マッサージ指圧師
資格取得プロセス 国指定の養成学校に3年間通学後、国家試験合格 スクール通学し、民間資格が一般的
資格特有の技術 あり なし
健康保険適用 適用可能 適用可能(煩雑な手続き) 適用不可
広告規制 あり なし
院内設備規制 あり なし
適応症 主に外傷 慢性的な症状

ひとくちに「治療院」といってもそれぞれに役割や違いがあります。それは国家資格を要する行為かどうかで大きく違ってきます。こちらではその違いや特徴をつかんでいただければと思います。

国家資格

法的な資格制度のある行為である「あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」の4種は、必ず免許(国家資格)を取得しなければならず、違反すれば処罰の対象となります。
あん摩マッサージ院、整骨院、接骨院、鍼灸院がそれにあたります。
法的な資格制度のない行為(あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師以外のすべて)、つまりカイロプラクティック、整体など、西洋医学、東洋医学を問わず様々な民間療法には国家資格などの免許、届け出は必要ありません。学校を卒業したり団体に所属することで民間資格を得ることもありますが、法的な効力はありません。


資格取得プロセス

法的な資格制度のある民間療法(あん摩マッサージ院、整骨院、接骨院、鍼灸院)の国家資資格を取得するプロセスとしては、国の定める養成機関での最低でも3年のカリキュラムを経たうえで、国家試験に合格する必要があります。
上記以外の治療院に関しては、現在は法律が存在しないため、開業するための資格や知識・技術を学ぶプロセスも規制がありません。極端な話ですが、独学で勉強し、開業することもできます。
ただ、スクールに通って開業するのが一般的で、多くは○○整体学校、△△カイロプラクティックスクールなどで学び、民間資格を取得します。


資格者のみ使える専門技術

柔道整復師(整骨院)…骨折や脱臼の応急処置など
鍼灸師(鍼灸院)…人の体に鍼を打つ
あん摩マッサージ指圧師…あん摩マッサージ指圧
これらは、有資格者以外の治療家がおこなうことが禁じられています。(マッサージについては、無資格者が”標榜して”類似行為をおこなうと違反であるとの見解です)

一方で、整体・カイロプラクティック・気功などに関しては、法律の定めがありませんので、整体の技術を鍼灸師が使っても、カイロプラクティックの技術を気功師が使っても、基本的には問題ありません。
ただし、特許などで守られている特殊な技術に関しては例外もあります。


健康保険適用

国家資格を必要とする整骨院、鍼灸院、あん摩マッサージ院は健康保険を利用することができます。健康保険を利用できれば患者負担の治療費が軽減されますので、集客に有利に働きます。
しかし、ここで注意しなくてはならないことがあります。
それは、整骨院、鍼灸院、あん摩マッサージ院は、平等に健康保険が適用されるわけではないということです。
といいますのも、整骨院は比較的簡単に健康保険を扱うことができますが、鍼灸院、あん摩マッサージ院に関しては、、保険を取り扱う際に医師の同意書が必要など、煩雑な手続きが必要になっているのです。そのため、整骨院ではほとんどのケースで保険適用していますが、鍼灸院、あん摩マッサージ院は医師の同意書などの問題のために、保険を適用せずに営業をおこなっているケースの方が多いのが実情です。
では、国家資格を有しない整体院やカイロプラクティック院などについてはどうでしょうか。
これらに関しましては、健康保険が適用されることは一切ありません。したがって、開業する際は、患者からすべての治療費をいただく実費治療となることを理解しておきましょう。


広告規制

国家資格を必要とする整骨院、鍼灸院、あん摩マッサージ院には、広告に関する規制があります。
これは、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」および「柔道整復師法」で定められています。
整骨院、鍼灸院、あん摩マッサージ院においては
・施術者名
・治療院名
・住所
・電話番号
・受付時間
といった最低限の内容だけが広告可能というものです。
さらに「施術者の技能、施術方法または経歴等に関する事項にわたってはならない」と定められています。

これとは逆に、整体院などでは広告の規制に関する規制はほとんどありません。これは、国家資格以外の治療院には法律自体が存在しないところからきている矛盾です。そのため国家資格以外の治療院の広告では、特殊な治療をうたっていたり、経歴などが載せられています。
法律の有無からくる矛盾ですが、広告に関しては整体院などのほうが有利だといえます。


院内整備の規制

広告の規制と同様に、法的治療院の場合、院内設備に関しても規制があります。
たとえば、
・待合室・治療室の広さ
・待合室・治療室の間仕切り
・換気設備
・照明
などの項目があり、開業する際には保健所の職員がチェックしにきます。
これに対して整体院など国家資格の要らない施設の場合は、規制もありませんし、保健所の許可も不要です。待合室を設けなくても構いませんし、広さや照明も自由なのです。院内の自由度に関しては整体院などのプラス要素といえます。


適応症

適応症に関しては、外傷を中心に対処する”整骨院”と、慢性的な症状に対処する”それ以外の治療院”に分けることができます。
治療院の中で外傷に対処することができるのは整骨院だけであり、適応症は骨折・脱臼・打撲・捻挫などが基本です。これは、整骨院自体、もともとが柔道場の横に併設されていた外相を処置するための施設を発祥としているためであり、また法律的にも外傷に対処する資格である旨が定められているのです。
慢性的な症状に関しては、整骨院以外の治療院が対応することになります。慢性的な症状というのは、肩こりや慢性的な腰痛などさまざまな不調が含まれます。