こちらのスクールを立ち上げるまでの背景として、私自身がどのように整体・カイロプラクティック業界を歩いてきたのか、その軌跡をお話しさせていただければと思います。
エンジニアの仕事をしていた私が脱サラし、カイロプラクティック業界に飛び込んだのは、27歳の時でした。まったくの異業種、そして人脈のない状態での再出発。当初はなにもわからない状態で、ただ「腕のよい施術家になり、人の体に貢献したい」そのゆるぎない思いだけを胸に抱いておりました。
まず、大手のカイロプラクティックスクールに入学した私は、勉強するかたわら空き時間には町の治療院でアルバイトを始めました。この業界に夢と希望を持ち、時間を惜しみ、率先して経験を積んでいきます。
ですが、スクールで学んだ技術を使ってアルバイト先で施術しても、思いのほか効果を出すことはできませんでした。まったくとはいいませんが、患者を満足させるレベルではなかったようです。経験が浅いから仕方がないという問題ではなく、同じような治療・施術をしている先輩がたも、私とさほど変わらないような状態でした。スクールで週5日、医療的な知識や技術を学んできたものの、実践ではほとんど活かせません。
これでは成功できるはずがない。
私が働いていたアルバイト先の治療院は、一回数百円という保険治療を行っており、多くの患者が集まっていました。ここで結果を出せなければ、私の目指す一回数千円の実費施術(カイロプラクティック)開業での成功などおぼつかない。。不安は徐々に膨らんでいきました。
私は、数か月でカイロプラクティックスクールをやめ、業界紙やインターネットでいろいろな情報を集めはじめました。情報を集めていくうちに、腕のよい治療・施術家から「現場で使える技術」を教えてもらうという方法にたどり着きます。
これは非常に効果的でした。
私は、多くの治療・施術家を訪ね、時には弟子入りをし、また彼らが主催するセミナーに参加しました。中には有名スポーツ選手のトレーナーをしている人もいましたし、難病を治すという気功の先生もおられました。そして、彼らから学んだ技術をアルバイト先で使い、経験を積むことによって、私の施術レベルは着実に向上したのです。
彼らとの出会いによって、技術の向上とともに業界の多くを知れたことも大きな収穫でした。
腕に自身がでてきた私はさっそく開業に踏み切ります。
業界に入って2年あまりのことです。
公庫から100万円を借り、自分の貯金と合わせて200万円で開業を果たしたのです。
~開業後
腕があるのだから流行って当然。私はそう考えていました。地域情報誌に広告を出し、チラシをまき、ホームページも作れば、どんどん電話が鳴って患者であふれかえるに違いない。
ところが…、これは大誤算でした。
広告のノウハウをなにも知らなかったのです。
とにかくひどい状態で、数週間も問い合わせが無いこともありました。貯えも減り、徐々に広告を打つ余力もなくなっていき、私は焦りました。このままではあっという間につぶれてしまうのではないか…と。
そんなギリギリ状態の時、ある友人に救われました。彼は広告のスペシャリストです。高校時代からのつきあいということもあって、顧客の心理から広告の見せ方まで、プロならではのあらゆることを親身に教えてくれたのです。
彼のアドバイスを取り入れながら、それまでの広告を修正していくと、広告の効果が出はじめました。とくにホームページからの集客が飛躍的に伸びていきました。もちろん、チラシや他の媒体の効果も同様です。
このときこそ、私は広告のツボとその効果について身をもって知ることができました。
惜しむことなくアドバイスしてくれた友人への感謝は、一生忘れることはないと思います。
友人のアドバイスのおかげで新しい患者がたくさん来院してくれるようになりました。施術に自信があり、集客にも成功したため
「患者さえきてくれたら絶対に流行らせてみせる!」
と思っていました。
ところが…、そうはいかなかったのです。
施術後は「体が楽になった」と言っていただけるのですが、その後が続かない。まず、2回目の予約を取ってもらえない。予約を取っていただいてもキャンセルの電話が鳴る。
新患がくる割には患者数伸びていかないという状況におちいっていました。なにかがおかしい。施術効果は出ているのに、流行っていかない。紹介でこられる方もほとんどいない。このままではマズいぞ…と。
「技術があっても流行らない」というループに入った私は、ここから脱出するためにいろいろなことを取り入れました。
まず、自院の居心地をよくするために毎日一時間の掃除をはじめました。「居心地のよい場所に人は集まる」という思いからの行動です。
さらに、成功者の本なども読み漁り、自分自身のやりかたをどんどん変えていきました。そして、なにより患者とのコミュニケーションをきちんと取ることを心がけるようにしたのです。
試行錯誤しながら修正していくと少しずつ状態は上向いていきました。キャンセル数が激減し、通院してもらえるので施術の効果もどんどん高まっていきます。効果を感じて喜んでいただけると、クチコミも広がっていきました。徐々に施術院は活気づいていったのです。
経営が軌道の乗ってくると、患者数は加速度的に増えていきました。町はずれの小さな施術院に次から次へと患者が来院するようになったのです。
クチコミで毎月20名近くの方がこられ、インターネットのホームページを見たという方からの問い合わせも同じく20件近くになっていきました。患者は症状が改善するまで通ってくれるわけですから、みるみる予約表は埋まっていきました。月の患者数は300名を超えるようになりました。収入もサラリーマン時代とは比較にならない額を手にするようになっていました。
気がつくと、予約は1ヵ月、2ヵ月先まではいってくるようになり、お断りしなくてはならない状況にまで発展していたのです。
これが開業して1年経ったころの状況です。
脱サラして2年強で開業を果たし、紆余曲折しながらも1年かけて予約があふれる治療院に成長させました。困難に直面するつど多くの人から助けを借りて、道を切り拓きながら、なんとか成功にたどり着くことができたのです。
次は私が後続の方々の力になりたい。成功してほしい。
徐々にそんな思いが湧き出してまいります。
~育成の道
そんな折、一人の学生時代の先輩が私の店を訪ねてきてくれます。
先輩は、大手上場企業でトップセールスを売り上げる敏腕営業マン。その能力を評価され、充分な収入もあります。話を聞くと、企業の第一線で働く忙しさに疲れ、心身ともに大きなストレスを抱えているとのことでした。充実した人生を送るためには、収入だけではなく時間、体力、気力すべてが大切です。私は、他の患者同様、心を込めて施術させていただきました。
先輩は、施術ごとに元気になっていき、ひとを元気にする整体業界と、脱サラし充分な収入だけでなく自由な時間を得ている私の生活に関心を持ったようです。
「整体業界でやっていきたい。教えてくれないか」
そんな申し出を受けた時、私もちょうど誰かの独立の手助けをしたいと考えていた時でした。そのようなタイミングでしたので、すぐに快諾し、私のすべての経験、すべての知識を先輩につぎ込む決心をしました。
仕事を辞めた彼のために、私の考える「未経験者の最短・最速での成功ノウハウ」を実行に移しました。成功するかどうか保証も前例もなく、実験的な要素もありましたので、無償での手助けとなります。
必要最低限の知識と技術を4か月間たたきこみ、まだ未熟な状態ではありますが、その後は、実際に患者に施術しながら現場で経験を積んでもらいました。力を入れない施術法を取っていましたので、危険はありません。患者には「研修」とお伝えして、1000円ほどの破格の金額で施術させてもらうことにしました。
現場では、いろいろな事例に遭遇します。わからない症状に直面しては私に質問し、解決していく。その繰り返しです。町の整体院ですので、患者は腰の痛みから不眠までありとあらゆる症状を投げかけていきます。それらを受けとめひとつひとつ解決していくうちに、どんどん腕を上げ、患者にも大好評。安価なこともあり、紹介での新規患者も月に20人ほどにのぼりました。
他人に紹介するというのは、そこでなにか間違いや不快なことが起こらないという絶対的な信用がなければできません。その信用を得られたことこそ、成功への準備が整った合図なのです。
私の最初の弟子であるその先輩は、独立や経営のノウハウを伝授したのち独立を果たし、今でも繁盛させ続けています。人の体に貢献して感謝されるやりがいのある仕事で、大きな収入と自由を手に入れ、自分自身の人生を取り戻せたようです。
これが、私自身のノウハウで未経験者を成功に導いた最初のケースです。
~「より多くの方に技術と成功ノウハウを伝えたい」思い
後続を育てる最初の事例のあと、私は独立開業専門のカイロプラクティックスクールを開校いたしました。
そして、独立開業を成し遂げ、やりがいある職業を手に入れるための全てを教えこんでいきました。学ぶ内容が多く本当に厳しく大変なスクールだと思います。結果、そこで揉まれて開業にたどり着いた方々は、本人の弛まぬ努力の結果も有り、長い人は10年以上、院を繁盛させ続けております。
こちらのサイトには、整体業界で成功するためのエッセンスから未経験者の皆さまが独立開業・成功するまでのロードマップなどを公開しております。私が独立開業専門スクールで教えていることを全て公開するスタンスでつくっておりますので、少しは役に立つ部分があるかと思います。
“健忘録のような形で記載しておりますので、少し見づらいこともあるかもしれませんが、現場での経験から汲み取った本物の話を公開しております。どうぞご参考いただければと思います。
ワンストップカイロアカデミー代表 荒田顕司